2024年3月30日。開幕2戦目。
私は神宮球場にいた。
神宮の開幕シリーズに行くの久しぶりだなー、と思いながら席に着く。
観客を見渡した。山田哲人(前日の開幕戦で怪我のため離脱)、村上宗隆、長岡秀樹、内山壮真(開幕前から離脱中)のユニが目立つ。
んー…まぁ、3のタオルを持った女性もちらほらいるな…そりゃそうか(ユニフォームは受注生産の為、グッズショップにはまだ販売されておらず、着ている人はほぼいなかった)。
スタメン発表。
スタジアムDJの口から、2番ライトの名前が出される。
そりゃスタメンだよな…
新しく応援歌作って貰えているあたり、まあまあ優遇されている。
勝ってくれよと思いつつ、試合が始まった。
対戦相手の中日ドラゴンズとはシーソーゲームであった。結果は1-1の引き分け。5時間近くの激闘だった。
外は上着を着るほど肌寒くなっていた。空も暗い。
ただ、私の心は試合前とは違う心の晴れやかさであった。
西川遥輝ってすごい…
すっかり彼の虜になってしまっていた。
打席は簡単に凡退しない、粘る、足が速い、守備は一級品。。遥輝がヤクルトに来てくれて良かった…遥輝がヤクルトを選んでくれて良かった…
今思えば、打席での佇まいは2022年に引退した坂口智隆(以下、グッチ)に通ずるものがあった。もう、スイングがグッチなのだ。際どいところをファウルにする嫌らしさもグッチだ。また、構える時にモワッとしたオーラを放つ。この瞬間から、相手を仕留めるのか…遥輝が放つ鋭い視線は相手投手にもプレッシャーだろうな、と思った。
打ってからのスンッと駆け抜ける姿もグッチに似ている
中日野手陣と審判を掻き回す。一旦アウト判定になったものの、覆りセーフになった。
「もう無理〜」ということを伝えている?遥輝。次の回からは交代となった。
ヤクルトファンも彼の活躍に釘付けなったようで、Xでハルキストになったという声が続出した。そりゃそうだよなぁ。
遥輝は今の若手外野手陣には無いものを沢山持っている。楽天で若手に走塁を教えたように、ヤクルトでも良い影響を与えて欲しい。そして、グッチのように劇的な復活を遂げて欲しい、と強く願った。
それから約2週間後の4月9日。ヤクルトが鹿児島に来てくれた。
対戦相手は読売巨人。6年ぶりの開催である。
席(ヤクルトベンチの真上)にも恵まれて、試合を愉しむことが出来た。結果は1-3と負け。
神席すぎて頭が上がりません。
私は終始遥輝に声援を送り続けた。
遥輝は2年前の楽天時代に、鹿児島で先頭打者ホームランを放っている。あの頃は絶好調で誰も手を付けられない状態ではあったが、それでも期待していた。
自分から声を出すのはとても恥ずかしかったが、巨人の大城卓三の大フライを捕った後、ベンチに戻る遥輝に「ナイスキャッチ!」と叫ぶと、一瞬だけ顔を上げてくれた(ような気がした)。
思いすぎかもしれないけれども…
当然のように、私は一眼と望遠レンズを構えて選手を撮影していた。距離も近いし、選手達は気づいていたと思う。
恐らく、遥輝も気づいていた。
遥輝以外のネクストの待機場所(見づらいがネット裏の方にいる)
遥輝のネクストの待機場所
遥輝だけ、ネクストバッターの位置が内側なのだ。その斜め後ろには作戦コーチが立っている為そこがギリギリの場所。かなり写真が撮りやすい位置までにいる。
ん…?これって、確信犯か?
思えば、2021年の日本ハム時代にZOZOマリンスタジアムで試合を観に行った時も、遥輝だけネクストの位置が違っていたのだ。本当に撮りやすい場所で、横にいた姉が「西川遥輝やってるわ」と苦笑いしていたことを思い出す。
遥輝が本当に撮りやすかったことを言いたかった。
わかった。わかった遥輝。なら打ってくれ。そう願ってネクストから打席に向かう時に、
はるきい"い"い"ぃ"ッッ
はぁあるぎい"づう"ぅぅら"あ"あ"ぁ"んッッ
(遥輝ツーランと言っている)
と本当に本人に聞こえるであろう距離で声を枯らしながら叫んだ(すると周りにいたヤクルトファンもはるきーっと叫んでくれた)。
結果はあと数メートルでスタンドインしていたであろうレフトフライに終わってしまったが、もしかしたら声援が届いたのかもしれない。ただ4タコ(4打席凡退)だったので反省して欲しい。
という、妄想丸出しになってしまったが西川遥輝という男が人気がある理由が詰まった日々であった。
まずは、西川は春先だけという声を一掃して欲しい。そして、ヤクルトを救うスピードスターになって欲しい。
Xのフィルターにあった、「ハルキ」を使用。